「ねぇ、何でかすみ草?」


二人で空き教室に座り込んでコンビニで買ったケーキを食べていると、由紀奈が聞いてくる。


「好きなんだろ?それ」


俺がそう答えると、不思議そうな顔をする。


そういう顔も可愛いな、なんて思う俺は重症だろうか。


「何で知ってるの?」


由紀奈がまっすぐに俺を見てくる。


「内緒」


俺はそう言ってそっと彼女に口付けた。


真っ赤な顔をして膨れた彼女。


入学式の後の体育館前での彼女に一目ぼれっていうのは、しばらくまだ秘密。
















―Fin.