「ねぇ、生徒会長の妹って本当?」


教室に着くと、クラスの女子に囲まれる。


裕美も同じようにお姉ちゃんについて聞いてくる。


「いいなぁ、あんなお姉ちゃん」


皆口々にそう言って、あたしを見つめる。


あたしも笑顔で頷く。


しばらくすると担任がやってきて、皆は席へと向かう。


「意外と普通の子だね」


小声で囁き合うように聞こえてきたことば。


それは裕美にも聞こえてて。


心配そうにあたしの顔を覗き込む。


あたしは裕美に向かって笑いかける。


「大丈夫だよ。あたしは普通で満足してるから」


裕美は少し納得行かないような顔をして前を向く。


お姉ちゃんは凄い。


そんなのはとっくに分かってるし。


そんなお姉ちゃんはあたしの自慢だから。