「由紀奈のその髪、百合亜さんにそっくりだよね」 鏡の前で、髪を一つに結ぶあたしを見ながら裕美が言う。 「……うん」 力なく答えるあたしを、裕美が鏡越しに見つめる。 結び終えたあたしは広見の方を向き直して口を開く。 「中学の時、大好きな人が言ったんだ。『髪が長くて、綺麗な子が好き』って」 裕美は微笑みながら頷いて、納得する。