「戸田さん、英語の和訳してきてる?」


ある昼休み。


隣の席に座る砂田くんに聞かれる。


「はい」


あたさが机からノートを取り出すと、砂田くんは笑顔で言う。


「さっすが!!会長の妹!!」


そんな砂田くんの背後から、彼の頭を軽く小突く手。


あたしがふと振り返ると、そこにはあの長身の奴。


「戸田さんは戸田さんでもそれは由紀奈ちゃんのだろ?」


北沢くんがそう言ってまた砂田くんの頭に手を乗せる。


「ごめんごめん」


砂田くんはそう言って、あたしのノートを開く。


「ちゃんと由紀奈ちゃんに謝れよ~」


北沢くんがそう言うから、砂田くんはもう一度ごめんと言った。