「冗談でしょ?」


あたしは軽く笑って聞く。


ところが彼の方は真顔。


「大マジ」


ただ真っすぐにあたしを見つめる。


あたしはどうしようもなく彼から目を逸らす。


もう一度メールを見る。


『好きです』


あたしを?


あたしは何度も読み直しながら、同じことばかり考える。


「ねぇ、返事は?」


いつまで経っても彼を見ようとしないあたしに。


北沢くんが問い掛ける。


あたしは顔を上げる事無く、ただ一言言う。


「ごめん、信じられない」


そのまま彼に背を向けると教室を出た。


あんな風に顔色変えずに告白できるはずない。


あんなに平然とメールで伝えられるはずない。


第一、今日初めて話したのに。


絶対嘘だ――。