「使えねぇ~、あの妹」


後ろから、さっきの男の声が聞こえる。


けどあたしは気にしない。


大好きなお姉ちゃんとの約束だから。


お姉ちゃんは今まで彼氏を作ったことがなかった。


あれだけもてるのに。


思い当たる理由は一つだけ。


だからこそ、あたしはお姉ちゃんを困らせたくないんだ。


それに。


自分で行動しない男は大嫌いだから。


ううん。


嫌いになったから。


あの日から。