蚊が鳴くような声で… 気持ちを伝える… 「………………ごめん」 ユウヤが言った。 今更洋輔だなんて思えないよ…… 「俺バカだから…バカだから…ナギサのことしか目に入ってなくて…」 「奏恵がいるのに…なんで…なんであたしなの………?」 神様…私は……………… 誰を守るべきなんでしょうか… 「とにかく奏を………奏恵を……」 そう言ってあたしは、ユウヤから離れ、奏恵を追い掛けた。 ――――走る力なんてないくせに…