「だけど何?」 ウジウジしている洋輔を見てあたしはイライラした…… ―――あたし目当てに奏恵に近づいた?そんなのどうでも良いの!! 「もう…いい!………奏恵!」 まず奏恵を追い掛けなきゃ!! 「奏恵ー!」 暗闇のなか奏恵を探しに行こうとベンチから立った。 ―――ガシッ… 「痛っ!」 見ると洋輔が腕をつかんでいた。 「やめて!離して!!!!!」 振り回してほどこうとするともっと力強く握られた。