「おい。」





「…?」


振り替えると…




――雅人だった






「どこ行くんだよ…」

「えっと…その…」
「あっ!雅君ー!ナギサ具合悪いんだって。保健室行ってくる。いきなり走ったからでしょー?ナギサはもう…ねえ?」




奏恵の眼力はんぱない…



「う、うん。ちょっと頭痛くて…」


でも、雅人は 


「保健室行くのにカバンいんの?」






――――げっ…





あたしと奏恵は顔を見合わせた。なんか雅人いつもより怖いし。 


「ぇ。えっとー。なんかあったら怖いぢゃない?この前も小林くん財布無くなったしー、ねー?」





ねー!と相づち。 




奏恵よくもそんな嘘思いつくなあ…
小林くんの財布が盗まれたのは本当だけど…





「あー、そういえばそうだな。ナ…あ、桐谷大丈夫?」


「たぶん。寝ればなんとかなるとおもう。」




雅人ごめんなさい!
ここは吹っ切れるしかない! 





「ぢゃぁな」


雅人はほほえんだ。