だって、実際にこの間会っちゃったし…まだ気に掛けているって気付いてた。
気付きたくなかったのに…
そう思ってる自分に……
――忘れさせてやる…
雅人の言葉はうれしかった。
だけどそれって本当なの?
あたしは今ユウヤのことを考え始めてる…
「ぅ……ううん!そんな事ない。忘れたよ、そんな人…」
精一杯だったよ…
…嘘つくのなんて初めてじゃないし、そのあと真実がばれた時の痛みだって知ってる…
相手に嘘を疲れたときの悲しみも…
奏恵、ごめん。
「そっか…よかった。ナギサのことだから、まだ忘れられないかなって思っちゃった。あ、ごめん」
「ま、まぁね。なんか今回のことは、なんか…すぐに忘れられた。あはは」
「雅君のおかげぢゃん?」
あたしは、そうかもね…って答えた。
また嘘。

