自転車の明かり――
雅人?
雅人だよね…………?
「お前なにして!!…たんだょ……」
泣いているあたしを見てびっくりした雅人。
「………まっ……さ…とぉ」
喋ったらもっと涙が出てきた。
「何やってんだよ。」
雅人はかすれた声でそう言うとあたしを優しく、抱き締めた。
あたしは泣くことしかできなくて…
本当にごめんなさい……
「――来たのか?アイツ」
あたしを抱き締めたまま雅人は言った。
目は遠くを見てたよね…
「……ぅん…」
雅人、あたし、バカだね…
本当に……
もう涙が出なかった。
「雅人…あたし」
雅人は泣いていた。
声を殺しながら。
あたしに気付かれないように…
「俺、お前の事守れなくて…」
―――ちゅ
あたしは雅人にキスした。
唇を離そうとしたとき、
雅人の手があたしの頭を押さえた。
「……んっ…………ぁ」

