点滴を一緒に連れながら歩く入院患者、寝巻を着ているが些か元気そうな中年男性、子供を連れて歩く母親、見舞いに来た家族…


売店に行くまでに、たくさんの人を見た。


皆それぞれいろんなものを抱えてて、それでも前向きに、今を生きてるんだって思うと、あたしは今まで何をしてきたのかと、首を傾げた。


おにぎりとお茶を買って、学校に行くつもりはないから暇潰しになりそうなクロスワードパズルの雑誌を一緒に袋に入れて、あたしは再び病室に戻ろうと踵を返した。






「優里?」


背後から、聞き慣れた声が追い掛けてきた。