「しっかりして!」



あたしの叫び声が、病院の白い清潔感のある廊下に響いた。



あたしの目の前には、口から血を吐いて蹲る皋が居て。


慌てて押したナースコールを聞き付けてやってきた看護士と、その様子を見て医師を呼びに走る看護士が、あたしの視界を行き来する。



「どいてください!」



その医師の声はおそらくあたしに向けられたものだったのだろう、けれど。



あたしはそれを、何処か他人事のように聞いていた。


ただ、苦しそうにする皋の姿が、あたしの目から離れなくて。





手術台に乗せられて運ばれていく彼を、虚ろな瞳で見送った。