ドロップさんは街の小さな珈琲館に入った。

カランと小さな鈴が鳴る。

「いらっしゃい。ああ、クラウンさん。

その子が弟さんですか。」

白髭のマスターがにこやかに笑う。

「シャインっていうのよ。

この子、コーヒーの味を知らないものだから、

マスターに美味しいのを淹れてもらおうと

思って。お願いできます?」

ドロップさんはウインクした。

なんかキャラ違いませんか・・・?

俺が目を白黒させていると、

ドロップさんが足を踏んだ。

「弟のフリしろよ。

それから、オレは上品なお嬢様で

通ってるから、言葉遣いに気をつけな」

小声で耳打ちされた。何てこった。

「アメリカンとカフェオレだよ。

初めてなら、カフェオレの方がいいだろう」

マスターはコーヒーを出してくれた。

椅子に座り、一口飲む。

「にがっ…」

「まあ、何て顔かしら・・・。

シャインったら~」

ドロップさんが笑った。

「コーヒーは大人の味だからねえ」

マスターもニコニコしている。