「あ~つぅ~いぃ~」

リビングに有るソファーまで、扇風機を引っ張ってきて、朝からまったりしている。


カチャッ


「歌恋、お腹空いた…。何か作って。」
眠い目を擦りながらダイニングテーブルの椅子に腰をかけた。

「へい!喜んで!」
まるで、居酒屋店員の様な返事をして、台所に行った。

台所には、夕べママが買ってきた、初心者の料理本が有るから、怖い物無しってもんよ!

見てなさいよ、幹太!

「歌恋ちゃん、凄い。」って、尊敬させてやるんだから!

またまた、妄想の世界に足を踏み入れたその時…。

「ホントに食べれるの?塩辛い卵焼きなんてヤダからな?」

うさん臭い目で幹太が、あたしを見る。
「いいから、早く顔を洗ってきな?

歌恋ちゃんの美味しいご飯食べさせてやるから。」

「期待しないでいよっ…と。」