「歌恋またぁ?」

仁王立ちした裕子があたしを睨む。

「違うしぃ。」

「だって、僕謝ったもん…。」

裕子を上目使いで訴えている。

そのキラキラしま眼差しに、裕子がKOされたのは言うまでもない…。

「裕子、騙されないで!?

コイツ、あんたの前では、こうだけど、あたしの前では、生意気なんだよ?」

必死に訴えてみた。
「それが何?

子供はそういう生き物なの。

それ位で目くじら立てないの!」

玉砕した……。

「幹太君、お姉ちゃんがアイス買ったげる。

コンビニ行こう?」
「うん!僕アイス好きなんだぁ」

と、裕子の腕にくっついた。

「あっ…あたしも!あたしもアイス食べたい!」

右手を高々と上げて裕子に訴えた。

「あんたは、反省してな!」

またもや、玉砕。

二人が仲良くコンビニに出かけた。

あたし一人残して。
「何でぇ~!?」

閉まったドアに向かって叫んだ。