「幹太?どうしたの?」

通話中の携帯を机に置いて、幹太の傍に行った。

「幹太?ちょっと、どうしたの?」

赤い顔をして、かなり呼吸が荒い…。

『お~い、歌恋?』
電話口から、沢田君の声が、微かに聞こえる。

幹太のおでこを触ると、凄く熱い。

一体、どうしちゃったの幹太!?

慌てて携帯を握って通話中の沢田君に今の幹太の状況を伝えた。

『んじゃあ、幹太の保険証持って病院に行くんだ。

小児科、もしくは内科だぞ?』

「小児科か内科?」
『そうだ。近くにないの?病院。総合病院とかは?』

「有る…。
どうしよう、陽介ぇ…幹太になんか有ったら、あたし…。
あたし…。」

『落ち着け、歌恋!今から、俺行くから、それまでタオル冷やして、おでこに置いて待ってな?』

それだけ告げると、電話は切れた。