沢田君が、白馬の騎士に見えた。

「大丈夫だった?

何処も、何とも無い?」

「うっ…うん。有難う。」

「ごめん、遅くなってしまって。」

「怖かったよぉ…」
軽くあたしを抱きしめてくれた。

「歌恋…。」

ふと、見るとさっきのが、怖かったのか、幹太が少し怯えた顔をして、あたしを見てた。

それに気付いたのか沢田君が、幹太にもあたしと同じ様に軽く抱きしめた。

「怖かったな?
幹太…。もう大丈夫だからな?
兄ちゃんが、追っ払ったからな?」

と優しく声をかけた。

「お兄ちゃん、凄いやぁ!」

すぐ、笑顔になった。


沢田君、凄いね…。
何か、魔法使いみたいだよ。