キッズ・バトル~君と過ごした夏~

「バラしたら、海に放り込むよ?」

幹太の耳元で、囁いた。

もの凄い勢いで、頭を前後に振る幹太。
「分かれば、いいんだよ!」

そう言って幹太の口を塞いでいた手を外した。

「ハア…ハア…ハア……。」

「大丈夫か?幹太」
「うっ…うん。」

「全然、大丈夫だよね?幹太。アハッ」
語尾にハートマークを付けた。

「んじゃあ、行くか?」

沢田君が幹太の手を、当たり前に繋いだ。

いいなぁ…。

そう思っていた時だった。


「歌恋。手…繋ご?」

左手で幹太と繋ぎ、反対の右手を差し出してくれた。