キッズ・バトル~君と過ごした夏~

幹太が、普段家族に吐けない、気持ちをあたしにぶつけてるんだと思うと、不思議と腹が立たなくなった。


「歌恋~、俺も泳ぐわけ?沢田のお兄ちゃんいても、ヤダ…。」

「だぁ~い丈夫!
あの、魚の泳ぎする沢田君の指導だもん。絶対に大丈夫。」
不安な顔をする幹太にカツを入れた。

「ヤダ…。俺、見学したいんだけど?」
「だぁ~め!
沢田君が指導してくれるんだから、頑張らないと!」

口に入れていたお箸の先を、幹太に指した。

「歌恋…。

お箸の先、人に向けたら、マナー違反なんだぞ?

教えてもらわなかったのかよ!」

「すんません…。」