「今から、木村の事を歌恋って呼んでいい?」

照れ臭そうに、沢田君が聞いた。

「いい…よ?

何か、照れるね?

てか、沢田君いつから、あたしの事好きだったの?」

「陽介でいいよ。

彼女なんだから…。
歌恋の事は、入学式で見かけた時から?
でも、何か声かけるの恥ずかしくてさ。
ずっと見てたよ。

日直頑張ってた事も、体育の持久走頑張ってたの。

友達と、楽しそうに話してたの。

古典の授業で、居眠りしてたの。

さっき、本屋で逢ったの偶然かも知れないけど、もう一度

歌恋に逢える気がして、本屋にいたんだ。山田には先に帰ってもらった…。

明日、マックおごる約束して…。」