☆★心風★☆

歌い終わると、私は実花ちゃんを見た。



実花ちゃんは柔らかい瞳で、私を見守っていた。



その瞳を見た瞬間、私の目から涙が溢れ出した。



ポツリ、ポツリと。



一粒、一粒。



ゆっくりとマイクを持っている手に涙が落ちる。



実花ちゃんは微笑むと、私を優しく抱きしめた。



「実花ちゃん…私、つらいよ。鴻上くんが不良なことやってるとこ見るの…」



「…そっか。でもさ、鴻上も鴻上なりの生き方があるんだからさ…

あんたは優しく見守ってあげな?」



実花ちゃんの肩も、少し震えていた。