☆★心風★☆

その若い女の先生は、俺たちの様子を見て、びっくりしていた。



「…あら、なんでこんなに静かなの？あ、今から１０分間みんなと話していい時間になりました。


みんなで仲良く話してください。それと、私はこのクラスの担任になりました、三沢明子（ﾐｻﾜｱｷｺ）といいます。

えー、皆さんとね、この１年間、楽しく過ごしていきたいなぁと思います。１年間、よろしくお願いします」



言い終わると、俺たちの担任、三沢先生は、ニコッと笑った。




「えー、じゃあ、今から１０分間だけ。どうぞ」



そう言った先生の声を合図に、みんながいっせいに席を立った。



イスを引く音が、やけに新鮮に聞こえた。



見ると、架村は誰かに話しかけられていた。



それは男子じゃなくて女子だったから、俺は安心して、狩河と話すことができた。



狩河は、俺の前の前の席。