「はい」


と近くの先生が返事をしたのと同時に、男子たちが私を呼び止めた。



「おおお…おい、これ…ついでに持っていってくれない?」



私と同じクラスの鴻上龍星が、私の前に2冊の理科のノートを差し出してきた。



「は、はぁ…」



私がしぶしぶそれを受け取ると、鴻上くんは友達と満足な笑みを浮かべて去って行った。



これだから男は嫌いなのよ…!


なんでも人任せだし、そのくせ、全然感謝してないし。



もう、最悪だよ…。


私はため息一つつくと、職員室の中に入って、理科担当の末永先生にノートを渡した。