ヤクザと執事と私 1




「とりあえず、命の心配はありません。」


医者の第一声に真木ヒナタ、龍一、大和が大きく息を吐く。


「ただし、片足は骨折していますし、頭に傷もあり、しばらくは安静が必要です。」


「わかりました・・・これでよろしくお願いします。」


真木ヒナタは、財布から、大量の札束を出し、医者に渡す。


医者は、にやけるのを必死に押し殺している表情で受け取り、レナが眠っている病室を出て行った。


「・・・ありがとう。」


真木ヒナタが、大和と龍一に素直に礼を述べる。


「いいよ。気にすんなよ。」


大和は、恥ずかしそうに顔を真っ赤にしている。


龍一は微笑んだだけだった。


「じゃーな。」


真木ヒナタは、そのまま病室を出ようとするところを龍一が真木ヒナタの肩を掴んで止めた。


「・・・やっぱり、だめ?」


真木ヒナタが龍一を見上げる。


「当然です。あなたは、私達に捕まっている身分ですし、それに・・・あなた1人で行かれたら、私達は、この怒りをどこにぶつければいいのですか?」


龍一の言葉を最後まで聞いた真木ヒナタが、かすかに笑う。


その様子をみて、大和も肉食の好戦的な表情を浮かべる。


3人は、それから静かにレナの寝ている病室を後にした。