「で、誰だ?」
真木ヒナタが、龍一を見る。
「この街を仕切っているマフィアの一員ですよ。殴った時に腕に蛇の刺青があったのを見ましたから。確か、この街のマフィアのマークは、蛇の刺青でしたよね?」
「・・・ああ。」
真木ヒナタは、殺し屋という職業柄、失敗した時のことを考えて蛇の刺青は入れてなかったが、間違いなく、この街のマフィアのマークは蛇の刺青だった。
「レナ、立てるか?」
真木ヒナタは、レナを優しく見つめる。
レナは、真木ヒナタに言われて立とうとするが、すぐに痛そうにうずくまってしまった。
見ると、レナの足は、酷く紅く腫れあがっていた。
その様子を見ていた大和が真木ヒナタを押しのけ、レナを優しく抱きかかえる。
「おい!」
大和に押しのけられた真木ヒナタが、大和がレナを抱きかかえたのを見て、思わず声を上げた。
「話している場合じゃねーよ。すぐに病院に運ばねーと!」
大和が、真木ヒナタを睨みつける。
「・・・そうだな。」
「救急車は?」
「だめだ、今、呼んでも、来るのは夜が明けてからだ・・・」
この街は、すべてが日本とは違う。
救急車も例外ではなかった。
人の命が酷く軽い街。


