ヤクザと執事と私 1



「ところで、この写真の人物を知っていますか?」


龍一が、ポケットから1枚の写真を取り出し、テーブルの上に置く。


真木ヒナタがその写真を見る。


写っていたのは、真木ヒナタに仕事を持ってくる老人だった。


「・・・知らない。」


さすがにそこまで教えるのは、真木ヒナタもためらった。


「そうですか、お知り合いですか。」


龍一は真っすぐ真木ヒナタを見つめたままで言った。


「いや、違うよ、龍一。こいつ、知らないって言ったんだぞ。」


龍一を馬鹿にした様子で大和が口を挟む。


「・・・大和・・・どこの世界の殺し屋に雇い主を売る殺し屋がいるんですか。表情で読み取るんですよ。」


どこまでも深いため息をつきながら、大和を見る龍一。


「・・・表情のどのへんで?」


真木ヒナタの顔を真近で見ながら、大和が龍一に聞く。


「・・・大和。もういいですから、静かにしておいてください。」


龍一が大和に言い聞かせる。


しぶしぶ、大和は真木ヒナタから距離をとる。


「できたら、この人の居場所を教えていただきたいのですが?」


「・・・・」


無言の真木ヒナタ。


「・・・そうですよね。・・・これは、困りましたね。」


龍一は軽く、ため息をつく。


「・・・あ、あの。龍一?」


大和がおそる、おそる、龍一に話かける。


「なんですか、大和?」


少しめんどくさそうに大和を見る龍一。