真木ヒナタにとってホテルに侵入するなど、簡単すぎて目をつぶったままでも出来るようなことだった。
いつもの真木ヒナタの相手は、大勢のガードマンに囲まれている奴やもの凄い警備システムのある屋敷に住んでいる奴が相手だったから。
それに比べれば、ホテルなんて。
その予測通り、真木ヒナタは、誰にも見つからずに目的の部屋の前に到着した。
そして、音もたてずに、ホテルの部屋の鍵を開錠する。
ホテルの部屋の前に到着してから1分もたたずに、真木ヒナタは部屋に侵入した。
部屋の中は当然、暗闇。
しかし、真木ヒナタにとっては、暗闇は光よりも親しみがもてるものだった。
息をころして、目が暗闇に慣れるのを待つ。
時間がかからずに、すぐに目は暗闇に慣れた。
部屋のベットからは、気持ち良さそうに寝ているイビキが聞こえてくる。
(寝ている間に死ねるなんて、幸せな奴だな。)
そんなことを考えながら、ベットの足側に立つ。
2つあるベットの内、ひとつは頭から足まで毛布にしっかり包まっており、もうひとつは、毛布をベットの下に落とし、お腹を出して、気持ち良さそうに寝ている。
真木ヒナタは、服の内側に手を入れ、サイレンサー付きの拳銃を取り出そうとした時だった。


