「両方だよ。」
それだけ聞くと、真木ヒナタはすぐに立ち上がる。
「気をつけろ。」
その場を去ろうとした真木ヒナタに老人が声をかける。
その声を聞いた真木ヒナタが止まる。
「・・・あんたが、気をつけろっていうのは、久しぶりに聞いたな。・・・何か問題があるのか、この2人は?」
「・・・ああ、マカロフがその2人にやられたらしい。」
「マカロフが・・・」
真木ヒナタはその名前を聞いて、一瞬動きが止まる。
マカロフは、2年間、真木ヒナタに殺しのテクニックを教え込んだ元特殊部隊の男だった。
その教え方は熾烈を極めて、何度殺してやろうと思ったか、わからないほどだった。
「・・・それは、残念だったな。」
「・・・ほう、お前でも、師匠が殺されては、さすがに悲しむのか。」
興味深げな様子の老人。
「悲しむ?・・・違うな。あいつは、いつか俺が殺してやろうと思ってたから、残念なんだよ。」
笑顔で真木ヒナタが答える。
しかし、表情は笑顔にも関わらず、目は冷酷なまま、笑ってはいない。


