真木ヒナタは、いつもと変わらない時間にいつもと変わらない店のドアを開けた。
そして、そのまま店の奥へと入っていく。
店に店員が数人いるが、誰も真木ヒナタに話しかけようとはしない。
むしろ、真木ヒナタを見てはいけないもののように、視線を真木ヒナタからずらしている。
真木ヒナタのほうも、店員にはイチベツもくれず、真っすぐに店の一番奥に向う。
店の一番奥の席では、あの真木ヒナタがひったくりしようとした老人が、ひとりで食事をしていた。
真木ヒナタが、その老人の隣の席に座る。
「どうだい、調子は?」
真木ヒナタが座るとすぐに老人が話しかけてきた。
「・・・何か問題あったのか?」
「これは、わしの失言だったかな。お前は、常に完璧だったな。」
真木ヒナタが老人から受けた仕事を失敗したことは、今まで一度も無かった。
老人は、ポケットの中から1枚の写真と1枚の紙を取り出し、真木ヒナタの前に置いた。
「どちらをやればいいんだ?」
写真には、2人写っていた。


