「ところで、道を尋ねたいっていうのは・・・」
レナは、あまりに突拍子もない言葉だったので、覚えていた。
「そうなんですよ。ちょっと、道に迷ってしまいまして。気づいたら、こんな裏通りに来ていました。」
少し恥ずかしそうに、龍一が苦笑いを浮かべる。
「神様が私達のために遣わしてくれたのかもしれません。」
そんな龍一にレナが再び微笑む。
「・・・そうですね。」
龍一は一瞬何か言いたそうにしたが、すぐにその表情を引っ込めて、レナの言葉に同意した。
「それでですね。ちょっとホテルを探してるのですが、このホテルなのですが・・・」
龍一は、レナにホテルの名前が書いてある紙を見せる。
「これなら知っていますよ。これは、・・・」
レナが、丁寧に龍一に説明する。
「ありがとうございます。それじゃ、行きましょうか。」
レナの説明を受けて、龍一がお礼を言う。
「・・・?行きましょうって?」
レナは、龍一のお礼の後の言葉を疑問思い聞いた。
「はい。お送りしましょう。また、あのような不届き者が現れてもいけませんので。」
「・・・ありがとうございます。」
レナは、龍一の好意に甘えることにした。


