ヤクザと執事と私 1


「ところで、道を尋ねたいっていうのは・・・」


レナは、あまりに突拍子もない言葉だったので、覚えていた。


「そうなんですよ。ちょっと、道に迷ってしまいまして。気づいたら、こんな裏通りに来ていました。」


少し恥ずかしそうに、龍一が苦笑いを浮かべる。


「神様が私達のために遣わしてくれたのかもしれません。」


そんな龍一にレナが再び微笑む。


「・・・そうですね。」


龍一は一瞬何か言いたそうにしたが、すぐにその表情を引っ込めて、レナの言葉に同意した。


「それでですね。ちょっとホテルを探してるのですが、このホテルなのですが・・・」


龍一は、レナにホテルの名前が書いてある紙を見せる。


「これなら知っていますよ。これは、・・・」


レナが、丁寧に龍一に説明する。


「ありがとうございます。それじゃ、行きましょうか。」


レナの説明を受けて、龍一がお礼を言う。


「・・・?行きましょうって?」


レナは、龍一のお礼の後の言葉を疑問思い聞いた。


「はい。お送りしましょう。また、あのような不届き者が現れてもいけませんので。」


「・・・ありがとうございます。」


レナは、龍一の好意に甘えることにした。