ヤクザと執事と私 1


「小夜、はじめるぞ。」


真木ヒナタが、興奮した様子で私を呼ぶ。


私は、覚悟を決めて、相手のところへと歩き始める。


まるで死刑台に向っているような気分。


執事が心配そうな顔で私を見つめる。


ふと、その時、後ろから私の服を誰かが掴んだ。


振り返ると、そこには、殴られてボロボロになったポチがいた。


「ポチさん、どうしたんですか?」


「小夜兄さん、このポチに名案があります。いいですか・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・それって、いいの?」


「当たり前じゃないですか!小夜兄さん、見てください、あの相手の体を。いくら小夜兄さんでも、あんなのとまともにやったら死にますよ。それでもいいんですか?」


「・・・そうだよね・・・」


私は、ポチに説得される。