ヤクザと執事と私 1


「ほらみろ、小夜もいいっていってんじゃん。」


「・・・確かに本人が言うなら仕方ありませんけど・・・」


執事が渋々認める。


唯一、状況がわかってない私。


「真木さん・・・何なんですか?」


「あ?何言ってんだよ、小夜。今、やるよなって聞いたら、はいって言っただろ。」


(・・・日本語って・・・)


私は、愕然とした。


妄想にふけっていたがために、暴走族の総長とこんな河川敷で相撲。


(・・・ありえない・・・)


しかし、周りの状況を見ると、すでにみなさん準備万端で配置についている。


(・・・お父さん、お母さん・・・今、そちらに行きます・・・)


私は、夜空を見上げつぶやく。