ヤクザと執事と私 1



「よし。それじゃ、適当に円を描かせておけよ。」


真木ヒナタが真壁純に命令しておいて、笑顔で戻ってきた。


「これでいいだろ?」


「いいわけないですよ。」


執事のもの凄い形相。


(カッコイイ人は、どんな顔でもカッコイイなぁ~。)


こんな状況に置かれながらも、こんなことを考えてしまう私。


真木ヒナタといると、執事の色々な表情を見れて少し私は嬉しかった。


そんな状態の時、真木ヒナタが私に聞いてきた。


「・・・・な?小夜。」


私は、妄想の世界に浸っていてはっきりと聞き取れなかった。


「はい?」


この「はい?」は、内容を聞き返したものだったが、タイミングが悪かった。