「・・・ところで、その小夜さんの後ろに隠れているポチさんは、前にも言いましたけど、知りませんよ。」


執事は私から目を離し、小さい私の背中に必死に隠れているポチに声をかける。


ポチは執事に言われ、悲しそうな表情で真木ヒナタを見た。


「・・・俺を見るな!」


ポチに真木ヒナタが冷たく言い放つ。


「・・・だから、お前ら、組長である俺様を守れよ・・・」


組長は、半分あきらめたような表情になっていた。






「それじゃ、眠くなってきたし、さっさと用件を片付けようぜ。」


真木ヒナタが、組長と執事に言った。


「だな。」「そうですね。」


組長と執事が、真木ヒナタの言葉に返事をして、2人並んで暴走族の一団に近づいていく。


私と真木ヒナタとポチは、少し離れた位置でその光景を眺めていた。