「・・・何か、言い訳はありますか?」

執事が最初に組長に尋ねた。


組長が必死に言い訳を考えているのは、傍目から見ていてもよくわかったが・・・どうやら、何も思いつかなかったらしい。


目の焦点が合わずに、キョロキョロし始めている。


その目が、真木ヒナタを見つけて、止まる。


組長が真木ヒナタの助け舟を求めているのがわかった。


「ま、まぁ~、あれだよ。な、龍一。わかるだろ。お前も男だし。」


真木ヒナタが、組長がかわいそうになったのか、執事を説得する。


「わかりませんね。」


執事が真木ヒナタの言葉を一刀両断に叩き切った。


「お前達もわかるだろ?そりゃ、大和だってひとりで飲みたい時ぐらいあるよ。」


真木ヒナタは、私やポチにも執事の説得を手伝うように目で合図してきた。