ヤクザと執事と私 1


「えっ?・・・・それは、その・・・!!!・・・それはですね。ここは、男と女の駆け引きの勝負の場なんですよ。いわば芸能人でいうスタジオのようなもの。ですから、シワの多い芸能人が、ライトを当ててシワを消すように、一般人にも薄暗い方がシワなど顔のマイナス点が相手に見えなくて好評なんですよ。それで、Barは薄暗くしてるんですよ。」


ポチは私の問いに答えることができて、満足そうな表情。


「そうなんだ・・・。大人も駆け引きしてるんだね。」


「でも、小夜兄さんには必要ありませんよ。美少年のような顔、しかも、低い背にも関わらず強いときては、クラブにいけばモテモテですよ。どうです?これから、アッシと一緒に行きませんか?ちょうど、この近くにアッシの行きつけのクラブがあるんですが。そこのナンバー1ときたら、それはもう、美人で・・・」


ポチは、私に詰め寄りながら、マシンガンのように次々に言葉を浴びせる。


「ポチさん・・・」


ポチの会話の途中で執事が割って入る。


「小夜さんはまだ、未成年です。困りますね、そんな誘惑をされては。」


「す、すいません・・・」


ポチは、執事に言われ素直に引き下がる。


私は、クラブという場所と、そこのナンバー1という人に見てみたかったが、とてもそんなことを言える雰囲気ではない。


そんな会話をしながら、店の奥に入っていくと、そこは見るも無残に荒らされていた。


割れたガラスや酒瓶。


壊れたテーブル。


辺りに立ち込めるアルコールの匂い。