凜のお母さんが、突然、家に訪ねてきた。

凜が学校を休むようになって、
2週間が過ぎた日の夜のことだ。


「突然なんだけど、
引っ越すことになったの。」

凜のお母さんは、
あたしに心底申し訳ない、
そんな顔をしてそう言った。


驚いたあたしが言葉を失っていると、
凜のお母さんは、続けた。


「中学の頃のこと思い出したから、
ちゃんとした治療が受けたいって。
心配するだろうから、
妃奈ちゃんには言わないで欲しいって。」

「治療って、何のですか?」