さうす・りばてぃー

 やがてコテージに着く。

 明かりはついていた。

 俺は先頭に立って、コテージの扉をノックする。

 しかし、返事はなかった。

「もしもーし」

 この分では、本当に寝ているのかもしれない。

 何度も、しつこいくらいにノックしてやる。

 今朝の星空の気分だ。

 なるほど、人がやって来ているのに寝られているというのは、むかつくものだ。
 
 そのノックが10回を数えたとき、扉が内側から開いた。

「あ、ごめんなさい」

 中から、寝ぼけ眼の見由が現れた。

 どうやら予想は的中したらしい。

 俺たちを無視して寝てるとは、いい度胸だぜ。

「他の二人は?」

 俺が聞くと、見由は二回ほどまばたきをし、それから急にきょろきょろしだした。

「えっ、えっ」

 見由は一目でわかるくらい慌てていた。

 その頭越しに部屋の中をのぞくが、人がいる気配はない。

「今、何時ですか?」

「八時半過ぎだけど」
 俺が言う。

 同時に、見由の顔から血の気が引くのが見て取れた。

「おい、どうした?」

「あの、あの」

 見由は何か話そうとするが、言葉にならない。

 どうやらただごとではなさそうだ。