カズキ番外編~高広

弟、直輝はスヤスヤ寝ている。

「ゆっこ~?みーちゃん、ちょっと高広にぃちゃんと買い物だからちょっと待って寝ていて?」



「嫌だもん!」



「ゆっことなおタンの好きなチョコレートとガム買ってくるからさ。ね?」



少し俯きながらも、小さく頷き、再び布団へ戻っていった。


「みーちゃん、早く帰ってきてね」


「わかったよ。だからいい子で寝ていてね」


その当時の私の家は、一軒家。


引っ越した土地の中でもやや、一等地らしい。

そんなの子供の私には分かることもなく、住み慣れた「街」といつもくらべている。



2階建ての上の部屋は二つ。



隣はカズキの部屋で


もうひとつは、高広、私、妹の優子と、弟の直輝と4人部屋。



母は夜キャバレーで勤めていたので、いつも朝方に帰ってくるのが普通なので、当然女の子の私が、下の子二人の面倒をみていて、狭い布団の中で3人いつも肩をよりそい眠るのが普通だった。