春―


桜が散り始めたこの時期。




私、藤堂 莉緒(トウドウ リオ)は恋をしています。




と言っても、この恋は今に始まったものじゃないんだけど。





胸がキュンとする。




なぜか目で追っちゃう。




家に帰っても考えちゃう。




それが「恋」だと思う。

不思議だけど、このキモチはその人自身の心の中にしか存在しない。

難しいけど、それ以上に「好き」。




私の恋する人。



すぐそばにいるんだ。