リベンジコレクション

かっこよさにだっていろいろあるとは思うが、少なくともあつし君の好みや意見で私の努力した結果が否定されることはないのだ。

読者モデルのあつし君は、自分に自信を持っているし、服装にもこだわりがある。

自分を磨いてきたプライドの塊であるあつし君を、男装した私が踏み越えていくだなんて――素敵すぎてめまいがする。

「私……やります」

 どうしても、あつし君を見返してやりたい。

それが女を捨てることであっても。

あつし君のためにきれいになろうと、女性らしさを磨いてきたけれど。

今度は自分のために、私は誰よりもいい男になってみせる。

静かに決意を固めた私に、美形眼鏡は冷たい視線を向けてきたが、ソウはぽんと頭を撫でてくれた。

「じゃあ、今日からよろしくな」

これからどうなってしまうのか。

不安はあるが、ソウになら頼っていいと、私の中にあるささやかな女の勘が告げていた。

ソウは近づけば近づくほど魅力的な男だ。

あれほどかっこいいと思っていたあつし君が薄っぺらく思えるほどに。

こんな男と出会えた運命を無駄にはしたくない。

「はいっ!お世話になります」

深く頭を下げた私の頭を、ソウの手がもう一度優しく撫でていった。





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