一年後、歯車が狂い始めた。


「なんでーーー。なんで私がトップバッターでもなく取りでもない中途半端な出番なのよ! 」

日本最大級のファッションショーが行われる代々木第一体育館のバックステージはモデルたちでごったがえしていた。そんな中、カンナはマネージャーのパパにキレていた。

「ほんと信じらんない。あの子が何で私のポジションとってんの?私のパクリじゃん!」

若手のモデルたちはカンナの怒鳴り声にビビってる。カンナは悲しいかな、絶頂期から一年経った今、新鮮さや若さが問われるモデル界で確実に新しい“顔”ではなくなっていた。移り変わりが激しい中、まだショーに出してもらえるだけでもやっとの状況だったが、カンナはまだ自分が一番だと信じていたかった。