アンナは冷静に答えた。

「最悪の人間とかじゃなくてそれで普通の人間なんだと思う。ただ自分の弱い部分埋めたくて、他人の失敗する姿とか、不器用なとこを見て、自分も大丈夫なんだって安心したいだけなんだと思う。カンナが鬱になった時、批判や中傷されたのも、みんな、あんなスゴい人気ある人でさえダメなんだから自分はマシな方だっていう気になりたいだけなんだよね。他人の不幸は蜜の味って言うけど、蜜吸わないと壊れそうになっちゃうのかなって。結局みんな弱いだけでそんな悪い人いないってわかったでしょ。」

アンナの言葉にカンナは世間を恐れてた気持ちが取り払われていく気がした。