カンナの様子は日に日に暗くなっている。
食欲もなく、意気消沈としていた。

世間はこれといった大きな新ネタがないが故に相変わらずカンナの”不倫”ネタをエスカレートさせている。父はこの状況に、カンナがもう芸能界に復帰できなくなるのでは、と心配した。カンナには回復するまで時間が必要だった。

しかし父は考えた。

仮に回復したところで復帰できるポジションが残っているだろうか?

このまま堕ちぶれた女としてカンナの芸能人生は終わるのだろうか??

少なくとも回復するまでの間誰かに仕事の穴を埋めさせなければならない。他の競争相手であるモデルに譲るなんてもっての他だ!

父は一人考え続けた。

そうだ、アンナがいた!!