壊したい程愛してる

「はぁ…はぁ…ここまでくれば平気だろ」


「あ…ありがとうございました…」


青年は心音を見ると少しだけ微笑んだ。

ドキン!!

初めて見た可愛いらしい笑顔に心臓が跳ねる。


ぽん。

暖かい手が心音の頭に触れてくしゃっと頭を撫でた。


「もう大丈夫だから」

ぷちん。

何かが切れたような音がして心音の目から涙が次から次へと溢れ出した。

「こ…っ怖かったぁ…!ひっく…うぅ…」


「ああ。もう大丈夫だ」


怖かった。
すごくすごく…。


撫でてくれる彼の手が心音の心を少しづつ温めてくれていた。