壊したい程愛してる

冗談じゃなく心音には光が差したように見えた。

…お…王子さまだぁ…。

青年は心音の泣きそうな顔をチラリと見ると、素早く心音の上に乗りかかっていた男を蹴飛ばした。


「い゛!?なにすんだガキ!?」


「逃げるぞ!!」


青年は心音の手を取り、走り出した。


ーーードキン…

ーードキン…


あれ…?


繋いだ手が

涙に濡れた頬が

熱いーーー…?