壊したい程愛してる

「やだって…。

あたし達友達になったって言っても付き合い浅いし…。


やだとかおかしいって。

…もう帰っていいよ」


「………心音」


空は心音の震える手を包み込んだ。


あの日、心音の頭を撫でてくれたように優しく。

心音がやっと顔を上げた。

涙がいっぱい溜まった目から涙が零れた落ちた。

「…心音。…確かに俺と心音の関係はまだ浅いかも知れない。


だけど、俺は心音をもっと…知りたい。


そう思う事はだめか?」


ポロポロ


心音は顔を歪ませて空の胸板に顔をうずめた。


「……ずるいよ……」