壊したい程愛してる

ー次の日ー


空は心音のいる病室へ向かっていた。



ガチャン



「失礼します」


「ーー空っ!?」


心音はベットに腰かけたまま空を見て驚いた顔をした。


「…大丈夫か?」


お土産の林檎の入った袋を手渡す。


心音は顔を曇らせたままそれを受け取った。


「ありがとう…」



「あぁ」


近くにあったパイプ椅子に腰かける空。



沈黙を破ったのは心音だった。


「…救急車呼んでくれて助かった。

ありがとう…凄く感謝してる

だけど…、お見舞いとかもう…いいから。

心配される程悪くないし。
          」

「………」


…なんだよ、それ…。

心音は空を見ようとしない。


「…やだって言ったら?」