壊したい程愛してる

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side空


「救急車を呼んでいただき、本当にありがとうございました」


「いえ」


ぺこりとお辞儀をして礼を言う心音の両親に少し恐縮しながらもクールな空。


…実際はかなり動揺しているが。


空は心音が倒れるとすぐ救急車に電話をし、家族が来るまでずっと心音のそばにいた。


「…心音さんは大丈夫なんでしょうか?」


「えぇ。今回は大した事じゃないみたいだったから…」


「今回は…?以前もこんな事があったんですか?」

心音の母は少し悲しそうに微笑み頷いた。


「心音からは聞いてないかしら…。心音ね、心臓に持病があるの」



「…………」


言葉が出ない…。

そうだったのか……。